店舗リフォームにおける店舗デザインのコツ

2025-12-03 2025-11-28 dctAdmin

古き良き点を引き出し、設備等の機能面は全面リニューアルで価値を高める

店舗デザインの企画～設計・施工を行っていると、「今ある空間をどこまで活かすべきか」「全面的に作り変えるべきか」というご相談を多くいただきます。特に、店舗デザインを検討する際は、既存建物の特性をどう扱うかで、集客力やブランディングが大きく変わります。
本記事では、リフォームを成功させるうえで押さえておきたい空間ごとの判断基準を、古民家と古い既存店舗の2つに分けて解説します。店舗デザイン内装や店舗デザイン設計を検討されている方に、実務的で役立つ内容をまとめています。

古民家リフォームのコツは空間の活かし方

古民家を店舗へリフォームするお問い合わせも増えています。

古民家は、年月を重ねた木材の表情や、独特の梁、土壁、天井の高さなど、現代の建築では再現できない魅力が詰まっています。
これらの価値は、店舗デザインの観点から見ても希少性そのものであり、競合との差別化を図りたいオーナーにとって大きな武器になります。

古民家リフォームの場合、最も重要なのは「活かす部分」と「更新すべき部分」の見極めです。
店舗設計では、ただ古さを残すのではなく、「デザインとして美しく見える古さ」に整える必要があります。

例えば

天井を抜いて梁を魅せる
古材をカウンターやテーブルに再利用する
柔らかい照明計画で木の質感を引き立てるなど、小さな工夫で雰囲気が一気に洗練されます。

ただし、インフラ設備（給排水・電気・空調）や耐震性はそのままでは使えないケースが多く、安全性と機能性を確保したうえで空間デザインを組み立てることが欠かせません。
そのため、古民家リフォームは、古き良き素材と雰囲気を残しつつ、現代の店舗として成立させることが求められます。

古い（中途半端な）既存店舗の場合は、部分リフォームより全面リニューアル

一方、古い雑居ビルの1区画や、以前別の業態が入っていた店舗などの場合、そのまま既存内装を流用すると「中途半端な印象」になりやすく、オーナーの意図が伝わりにくい店になってしまいます。
特に、中途半端に老朽化した内装は、「古さの味」ではなく「使い回しの古さ」として見られてしまうため、業種によってはブランド力を損なうリスクが潜んでいる可能性があります。

店舗づくりの根幹となる事業目的や目標に応じて、部分リフォームよりも全面リニューアルをお勧めする場合がありますが、そのような理由などに基づくものです。

更に、全面リニューアルを行う場合は、

コンセプトに沿った店舗デザインが一貫する
機能面（動線・照明・空調等）を最適化できる
初めてのお客様が「ここに入りたい」と感じる外観になる
統一感のある内装で世界観を表現できる

という大きなメリットが得られます。

また、既存内装を無理に活かそうとすると、結果的に補修コストや追加工事が膨らみ、全面リニューアルと同等の費用になってしまうことも珍しくありません。「古さを魅力に変えられる古民家」とは異なり、中途半端な古さを抱えた店舗の場合は、思い切った刷新によって高い効果を生みだすことはよくあります。

成功する店舗リフォームのポイントは、判断基準の明確化

誰に来てほしいか
どんな雰囲気・世界観をつくりたいか
ブランド価値をどう表現するか

というコンセプトを掛け合わせることで、店舗の個性が明確に立ち上がります。

そしてこの“コンセプトづくり”を確かなものにするためには、施主様との丁寧な打ち合わせが欠かせません。
当社は、施主様と綿密な打ち合わせを重ねながら、目指す方向性、理想のイメージ、機能面の要望、店舗運営上のこだわりなどを細かく共有し、店舗デザインの企画段階から精度の高いプランをご提案いたします。

これにより、一貫性のある魅力的な店舗デザインが実現し、お客様に選ばれる店舗へと仕上がっていきます。

まとめ

リフォーム成功の鍵は、建物の特性に合わせた最適な判断を行うことです。
リフォームを行う元の状況に応じて、「魅力を伸ばす」または「刷新して価値を高める」ことで、店舗リフォームの最適解が得られることでしょう。
店舗デザイン・店舗設計・内装リニューアルをご検討の際は、是非、専門業者と早い段階から相談し、理想の店舗空間づくりを進めてください。